葬儀や法要で参列者に贈る品物には様々な種類や呼び名がありますので混同してしまいがちです。しかし一度理解してしまえば簡単ですので、今回の記事を参考に、基本的な知識を身に着けておきましょう。
四十九日のお返し(引き出物)
葬儀や法要で参列者に贈る品物には様々な種類や呼び名がありますので混同してしまいがちです。しかし一度理解してしまえば簡単ですので、今回の記事を参考に、基本的な知識を身に着けておきましょう。
香典返しと法要の引き出物の違いについて
香典返しと法要の引き出物は、どちらも四十九日に関連する「お返し」ですが、その性質や目的には明確な違いがあります。
香典返しは、葬儀の際に香典(弔問金)を持参して参列してくれた方へのお礼として贈る品物です。具体的な特徴は以下の通りです:
香典返しは弔問に対するお礼という性質から、故人との関係性や頂いた香典の金額に応じて、返礼品の内容や価格帯を変えることが一般的です。
法要の引き出物は、四十九日法要に参列し、お供え物をしてくれた方へのお礼として贈る品物です。特徴は以下の通りです:
法要の引き出物は、法要という儀式への参列に対する感謝の意味合いが強く、故人を偲ぶ場に集まってくれたことへのお礼という性質があります。
実際の対応例としては以下のようなケースがあります:
香典返しと法要の引き出物の違いを正しく理解することで、失礼のない適切なお返しができるようになります。地域の習慣や家庭の方針も考慮しながら、故人を偲ぶ大切な儀式に参列してくださった方々への感謝の気持ちを形にしましょう。
四十九日のお返しを準備する手順
四十九日のお返しの準備は、法要の1〜2週間前から始めるのが理想的です。以下の手順を参考に、計画的に進めていきましょう。
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この準備を計画的に進めることで、当日の混乱を避け、故人を偲ぶ大切な四十九日法要をスムーズに執り行うことができるでしょう。
相場(金額の目安)
法要の引き出物は会食費を含めて全返しする場合、会食費と引き出物を合わせて半返しとする場合など、地域によって習慣が大きく異なりますが、一般的には3,000円~5,000円程度を目安に品物を用意すれば良いと言われています。
四十九日のお返しは基本的に法事の当日にお渡しするものですので、お供えの額を確認してから品物を用意することはできません。従って、頂いた金額にかかわらずに一律同じ金額の品物を用意するケースが多いのです。
このような仏事は地域や親族によって考え方、習慣が大きく異なります。習慣にそぐわないお返しをすることで失礼と感じられてしまう可能性も否定できません。金額相場はあくまで目安として参考にする程度にとどめ、事前にその地域の習慣をよく知る方に相談しておいた方が確実と言えるでしょう。
喜ばれる品物の選び方
四十九日のお返しに最適な品物選びは、参列者の年齢や関係性、実用性などを考慮することが大切です。定番の人気商品から年代別のおすすめ品、お菓子選びのポイントまで詳しくご紹介します。
法事の引き出物で定番とされているのは、食べたら無くなる食品類や使えばなくなる消耗品など、いわゆる「消えもの」と呼ばれるものです。海苔、コーヒーやお茶、調味料、タオル、洗剤などが昔から法要の引き出物に選ばれてきました。
当日持ち帰りやすいように軽くてかさばらないものや、日持ちのするもの、日常使える実用品が喜ばれる引き出物として人気を集めています。タオルや寝具、バスグッズなどは普段使いのものよりも少し質の高いものを選ぶと、喜んでもらえる贈り物になるのではないでしょうか。近年では贈った相手が好きなものを選べるカタログギフトが選ぶ側の負担も少なく、一番人気の引き出物です。弔事専門のカタログギフトなら、世代や性別を選ばずどなたにも贈れますのでおすすめですよ。
以下に、年代別のおすすめ品をご紹介します。
高齢の方向け
中年層向け
若年層向け
どのような品物を選ぶ場合でも、丁寧なかけ紙と落ち着いた包装を心がけ、感謝の気持ちをお伝えすることが最も大切です。
お返しを選ぶ際のNG集
四十九日のお返しを選ぶ際には、避けるべきものがいくつかあります。マナー違反とならないよう、以下のポイントに注意しましょう。
これらのNGポイントを避け、参列者の立場や気持ちを考えた上で、感謝の気持ちが伝わる品物を選びましょう。
贈り方のマナー
四十九日のお返しを贈る際には、適切な時期や方法、かけ紙(のし紙)や挨拶状の作法など、守るべきマナーがあります。以下では、四十九日のお返しを贈る際の正しいマナーについて詳しくご説明します。
四十九日のお返しは、法要当日に渡す場合と後日郵送で贈る場合があります。当日お渡しする場合は法要後、もしくは法要の後の会食後にお渡しすることになります。施主が一人ひとりにお礼を伝えながら手渡しするのが一番良いのですが、会食の参加者が多く、会食後に一人ひとりお渡しするのが難しい場合は事前にそれぞれの席に準備しておく場合もあります。いずれにしても、丁寧に感謝の気持ちを述べてお渡しするようにしましょう。
ご霊前を頂いても、事情により法要に参列できないという方には後日郵送でお返しの品物を贈ります。きちんとお礼状を添え、法要の翌日から1か月以内を目安に相手にお届けできるように手配しておきましょう。ただし、四十九日のお返しは不祝儀となりますので、年始や相手のお祝い事がある時期は避けて贈るのがマナーですので気を付けて下さいね。
四十九日のお返しはかけ紙(のし紙)をかけて贈るのがマナーです。水引は黒白または関西では黄白の結び切りを選び、表書きは「志」もしくは「粗供養」とします。蝶結びの水引は何度でも結び直せることから、何回あっても嬉しい祝い事に使用されますので、弔事である法要の贈り物にはふさわしくありません。包装紙も白やグレー、落ち着いた色合いの青や緑のものを選ぶようにしましょう。菊の模様などシンプルな柄の入った包装紙でも問題ありません。引き出物を郵送する場合は、必ず挨拶状も添えるようにしましょう。
引き出物を郵送する際には、心のこもった挨拶状を添えることが大切です。挨拶状の基本的な内容としては、お供えを頂いた事に対するお礼、四十九日の法要が滞りなく済んだ報告、引き出物の品を贈らせていただいた旨を記載します。時候のあいさつは必要ありません。
挨拶状の基本構成は、
となります。
挨拶状の例文としては、以下のようなものがあります:
拝啓
この度は、故○○の四十九日法要に際し、ご霊前をお供えいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、四十九日法要も無事に執り行うことができました。心より御礼申し上げます。
つきましては、粗品ではございますが、お礼の印として同封させていただきました。ご笑納いただければ幸いです。
末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和○○年○○月
○○家
郵送で四十九日のお返しを贈る場合は、以下の点に注意しましょう。
これらのマナーを守ることで、故人を偲ぶ気持ちと参列者への感謝の気持ちが適切に伝わります。地域によって細かい習慣の違いがある場合もありますので、地元の方や親族に確認するとより安心です。
まとめ
四十九日のお返しは、故人を偲ぶ大切な法要に参列してくださった方々への感謝の気持ちを表す重要な習慣です。この記事でご紹介したポイントを押さえて、心のこもったお返しを準備しましょう。
四十九日法要は、故人との別れを受け入れ、新たな気持ちで前に進むための大切な節目です。参列者への感謝の気持ちを込めたお返しを通じて、故人を偲ぶ気持ちを共有しましょう。
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